中国の春節

春節は旧暦のお正月のことで、中国の最も伝統的な祝日です。中国大陸や台湾のみならず、シンガポールなどの中華圏国家の人々にとって、春節は一年の中で最も盛大な祝日で、賑やかにお祝いされます。

  春節はすでに4000年の歴史があり、当時は春節と言わず、固定の日日も無かった。紀元前1000年の時、人々は春節を「年」と言った。年は当時豊作の意味でした。豊作をかちとると「有年」、或いは「大有年」と言われました。

春節は「過年」とも言います。民間での習慣では過年は旧暦12月23日の(一部地方では12月8日の)から旧暦正月15日の元宵節までで、約3週間にわたり、1230日の大晦日と正月の一日が最も盛大に過します。

  民間で流行している「腊月歌」は伝統的な春節の過ごし方をそのまま映しています。 

「腊月歌」
  腊月二十三,糖瓜粘;
  腊月二十四,扫房子;
  腊月二十五,炸豆腐;
  腊月二十六,煮白肉;
  腊月二十七,杀公鸡;
  腊月二十八,把面发;
  腊月二十九,蒸馒头;
  三十晚上熬一宿;大年初一,扭一扭。

春節を迎えるため、全国の都市と農村では、様々な準備活動が行われます。農村では、その準備活動は12月になるとすでに始まっています。農家は汚れをなくし、新しい年を迎えるため、大掃除を行ったり、布団をきれいに洗ったりして、市場からお菓子や肉や果物などを買い付けます。各家は對聯や年画を張ったり、提灯をかけたりします。町では、その準備活動に、各文化部門や、芸術団体、豊富多彩な文芸出し物を用意したり、テレビ局は新年番組を作ったり、各公園は縁日の準備を行ったりします。このほか、各店は各地乃至海外から祝日用商品を調達します。

中国は広いですから、各地には春節を過す伝統的な習慣がいろいろありますが、南北を問わず、大晦日の夜、一家が団欒して食事を一緒します。南の方では、豆腐と魚が欠かせないもの※で、北方では年越し餃子を食べます。大晦日、人々は「春節聯晩会」(日本の「紅白歌合戦」みたいな番組)を見て、夜通しをして旧い年を送り、新しい年を迎えます。
(※それは豆腐の腐と魚の発音は「富裕」つまり裕富と同じだから)

  昔から春節を祝うには邪悪を追い払うため、人々は爆竹を鳴らす習慣があります。

  一日になると、新年の挨拶を交わし、町では年始周りの人々で賑わう風景です。
各地では地方劇や映画が上映されたり、獅子舞やヤンコ踊りなどが披露されたり、様々なイベントが催され、いたるところは楽しい祝日の雰囲気に満ち溢れています。

  旧暦の1月15日に元宵節です。華やかな灯篭が町中に飾られ、町中に人々が溢れ、大変賑やかです。元宵節が過ぎると、春節は終わりを告げます。

 
 
 写真と絵で見る「春節」
 

旧暦12月8日
腊八粥を食べて年越しの準備を開始

腊八粥
 

中国では、旧暦12月が「腊月」と呼ばれ、旧暦128日に家族と一緒にお粥を食べることが古からの風習となっています。「腊月」の八日に食べるお粥ということで、「腊八粥」と名付けられています。そもそも、旧暦の128日は、仏教では「釈迦成仏の日」とされています。伝説によると、お釈迦様は、旧暦の128日にお粥を食べて体力を取り戻し、悟りを開いたそうです。この伝説にちなみ、「腊八粥」は、始めは寺院で食せられ、やがて「薬膳料理」として庶民の間に広がるようになりました。

 
旧暦12月23日
祭竈、「小年」を過ごす


旧暦12月23日にあたり、中国では「小年」または「祭竃」という風習があります。
「小年」は中国の土着信仰である道教に由来する風習で、中国ではこの日、かまどをきれいにしたりお供え物を供えたりするなどして、かまどの神様に感謝をささげます。
また、中国の伝統的習慣では大掃除をしたり、年越し用品の購入を開始したりするなど、「小年」の日から本格的な年越しがスタートします。
春節の飾り
春聯、逆さにした「福」と門画などを飾る

中国では春節に斗方を門や壁に、春聯を門や入り口の框(かまち)に張る風習がある。斗方は四角い赤紙に「福」などの文字を書いたもので、春聯は赤紙にめでたい文句を書いた対聯。
春聯
    
     
                                     倒 福
   「福」の字は、現在は「幸福」を意味しますが、昔は「福気」「福運」を指していました。今も昔も、人々が幸せに暮らせるよう、また素晴らしい未来が到来するようにとの願いが込められています。そして「倒」と「到」の発音が同じことから、「福」の字を逆さに貼って「倒福(福が逆さ)」=「到福(福がやって来る)」の意味を表します。
寿老人やお祝いの桃、鯉の滝登り、五穀豊穣、龍と鳳凰等々、各家々の「福」の字のデザインはいろいろです。
 
  剪紙(切り紙)
  中国の代表的な民間工芸品である切り紙細工です。
        
   
   門画
   魔除けとしてカラー刷りされた門神像を門扉の上の両側に張る
   民間信仰があります
 

放鞭炮 爆竹を鳴らす

昔から春節を祝うには邪悪を追い払うため、人々は爆竹を鳴らす習慣があります。爆竹市場へ行くと、たくさんの種類の爆竹がずらりと並んでいます。
ここ数年、空気汚染と安全のため、北京と一部の大都市では、爆竹を鳴らすことが禁止されました。爆竹を鳴らさないと春節の雰囲気が出ませんので、爆竹の音を録音したテープを市販されています。

 

拜年 春節の挨拶

大晦日、人々は「春節聯晩会」(日本の「紅白歌合戦」みたいな番組)を見て、夜通しをして旧い年を送り、新しい年を迎えます。
除夜の鐘がなったら、みんな春節の挨拶をします。
テレビ中継で海外で働いている人たちや留学生などの新年挨拶を放送します。


 

元宵節

春節は終わりを告げる

旧暦の1月15日に元宵節です。華やかな灯篭が町中に飾られ、町中に人々が溢れ、大変賑やかです。もともとは漢の時代に始まった北極星を祭るお祭りがルーツであるとか、1月15日の戦勝祝いがルーツであると言われています。

提灯祭りを見に行く

元宵節といえば提灯。公共の場所でも家庭でも、提灯を飾ります。公園などのイベント会場では、様々な趣向を凝らした形の提灯が飾られたり、企業が賞品つきの提灯を提供したり、非常に盛り上がります。また、大勢の人が集まって1つずつ掲げた提灯で龍を形づくる「龍灯」、厳寒の地方では各家庭の庭で氷の提灯を飾る「氷灯」など、地方色や伝統色豊かな提灯もいろいろあります。

元宵を食べる
元宵節に欠かせないのは北極星をかたどったと言われる丸いお団子(元宵)を食べます。
お月見団子よりも少し大きい感じで、中には甘いあんこが入っていたり、お団子の調理方法も蒸し団子や揚げ団子などいろいろな種類があります。北の方は甘いものが多く、南の方はしょっぱい味が多いです。「五彩元宵」は色とりどりで見た目がとても綺麗で人気です。家族みんなでお団子を食べ、団欒の時間を過ごします。

元宵節が過ぎると、春節は終わりを告げます。

 
 
 
 役立つリンク集
 
 伝統的な春節と現代の春節 http://j.peopledaily.com.cn/cehua/20050207/home.htm
 春節の伝説、食習慣、過ごし方などを紹介されています。
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